SSブログ

Talkon Together 2009 第2部 [浦和レッズ]

第1部から10分程の休憩を挟んで、来場したみんながお待ちかねのフィンケ監督のトークショーになりました。

司会はサッカー評論家の大住さん、監督のドイツ語を日本語に通訳してくれるのは、モラスコーチでした。

P3020663.JPG

大住:今年はどのようなサッカーをしたいのか?
監督:根本的にコンビネーションサッカー。今までボール捌きの上手い選手、運動量の有る選手を
   使って来た。それをやる。全ての試合でできる訳ではないが、全選手が同じ方向を向いてやる
   事が絶対。日々の練習でやっている事をやる。
大住:コンビネーションサッカーのポイントは?
監督:豊富な運動量。去年2試合見て運動量が足らないと思った。今年は長い準備期間でしたかっ
   た。ボールを扱う技術は心配していない。良い選手がいる。
   初めの頃、体力測定をしてデータを得た。そのデータを基に選手に合ったメニューを作り、
   やってもらった。適切な負荷をかけた。
大住:実際にピッチの上ではどのようなサッカーをしたいか?
監督:ボールを奪った時点でしっかりと攻撃の準備をして、相手陣内に入る。ロングボールは速達
   のようなもの、同じ速達のボールが相手から返って来る。パスを回して、相手選手を動かして
   穴を見付けて攻め込む。正しいタイミングでスピードを出して攻める。一部の新聞でロングパス
   を禁止と書かれたが、それな無い。効果的なロングパスは効果的な攻撃になる。
大住:パスを繋ぐ事はミスも出るが。
監督:誤解があるようだ。パスが多いからミスが出る訳では無い。パスが増えるとパスが回っている
   ように見えるので、一つのミスが目立つ。ボール保持率が上がる。ボールを回している事で、
   チャンスを自発的に作るチームを褒めるべき。
   前もって話すが、私はドイツ人だが、いかにもドイツ的では無い。求めているのは地中海的な
   サッカー。ドイツ的なサッカーを求めているのなら違う。ロマンを提供するような魅力的な
    サッカーを求めて来た。’72~’76のドイツじゃトップだったが、戦術出来な穴に入ってしまった
   2006から後の評価は上がった。
大住:442が多いが、その予定か?鹿島の人が聞いているかも知れないので、いえる程度で。
監督:練習試合では442でやって来た。鹿島はブラジル的な442。対戦相手をリスペクトするが
   鹿島を分析した。
大住:40歳台まで先生だったが。
監督:喜んで高校の教師になった。政治学や歴史学、スポーツ生理学。60~70年代のドイツは
   改革が行われていた。教師になる事が決まっていたので、若い世代に時代を伝えたかった。
大住:その経験が監督にどう役立っているか?
監督:実際、長い間教師をしていた事が役に立った。若い生徒と関わった。生徒もある意味闘って
   いた。毎日貴重な経験を生徒として来た。若い選手も沢山のプレッシャーと闘っている。その
   時に役立っている。
大住:初めての日本での生活はどうか?
監督:ドイツの文化とは違いが有る。それが無かったらここに来なかった。全く違う環境、文化の中で
   やりたかった。興味を持った。
   去年2試合見て様々な事が解った。日本の様々な面も見られた。他の国の代表監督として
   W杯に行く事も有ったが、この国に魅力を感じた。
大住:日本の文化で新しく興味を持った事は?
監督:歴史や伝統に興味が有る。日本の文化が毎日の生活の中でいかに恵まれているか考えて
   みて欲しい。特に食文化、温泉は素晴らしい。毎日の経験の中の食文化は素晴らしい。
   なぜ、若い人が日本食で無い物を食べるのか信じられない。
大住:好きな日本食は?
監督:麺類、うどん。味噌汁。豆腐の種類が多いのを初めて知った。天ぷらは出されたら断る事が
   出来ない。妻も食生活を満喫している。
   特に日本の朝ごはんについては素晴らしいと思っている。ヨーロッパでは朝から暖かい物が
   食べられる事は無い。特にイギリスの朝食は酷い。フランスも。この朝食は身体に良い。
   我が家ではご飯を炊く炊飯器が活躍している。だた、批判的な事を言うと、家電の取扱説明書
   が日本語しか無い事。取扱いを覚えるのに時間がかかる。その為、妻は週3回、1回1時間の
   日本語のクラスに通っている。取扱説明書が解る日も近いだろう。
大住:新しい戦術の理解度はどう判断しているか?
監督:大切なのは選手達が自らやってくれた事。今までと違うサッカーがやりたい。コーチが良い
   チームになっている。選手が自らやらなくてはと思う。442に取り組むのは今日、明日では
   出来ない。長い目で見て練習していく。
大住:サテライト等若手の試合が少ないが。
監督:契約書にサインする前に話を聞いた。サテライトの試合が少ない。若手の選手に経験を積ませ
   たい。20試合試合を増やす。多くの若手が揃っている経験を積めないのは勿体ない。
   毎回クラブに言って確実に20試合増やす。今31人居る。31人の内16人が23歳以下。
   その内3~5人トップチームに出るのも居る。それ以外にも良い選手が居る。
大住:過密日程のローテーションは?
監督:ローテーションは好まない。練習のパフォーマンスで決まる。ローテーションは順番待ちになって
   しまう。どの選手でも年間を通じてコンディションが最高とは限らない。チーム、選手の状況で
   選手を決める。試合に出る11人は一つのチームとして機能するかどうかで決める。
   プロサッカーはメディアの注目を浴びる。報道される。特定の選手が報道されるのは良くない。
   特別扱いされていると勘違いする事も有る。サッカーはチームのスポーツ。選手の個性が全て
   ではない。個性をチームの為に活かさなくてはいけない。
   実際に一部は数人の特定の選手と密接な関係を作り、スターのようにする。数人の選手が記者と
   組んで監督へのネガティブキャンペーンをする事が有る。
   数か月、数年マスコミが煽った選手がベンチに座る事が有るかも知れない。
   サッカーはチームのスポーツ。同じ方向に進まなくてはいけない。監督、選手みんなで同じ道を同
   じ方向に進んで行く。これが一番大事。
大住:新しい方向、新しい道を行っている。我慢して見ていきたい。
監督:我慢は大切。ただ、現場は我慢出来ない事も大切。出来るだけ早く目標を達成したいと思ってや
   る事も大切。
大住:補強無しの決意は?
監督:どのような選手を獲得するはずとかはここでは言えない。ここ数週間で選手を見極める。実力を
   伸ばしていく。近い将来、いくつかのポジションに新しい選手を獲得するかも知れない。まずはクラ
   ブと話し合ってから。契約の際にそのような条件は出していない。出さない。
大住:新しいシーズンを冒険と言うが、どのような冒険か?
監督:私は新しいシーズンを冒険とは言わない。旅だ。2008年も新しい旅、タイトルを取ろうと夢を持
   っていた。失敗した。今シーズンはしっかいした準備をして旅に出たい。
   若手選手達に試合に出してあげたい。若手がミスを犯しても許さなくては。失敗から学ぶ事が有る。
   若手選手の刺激がチームに良い刺激を与える。練習のパフォーマンスで年上の選手が良ければ
   試合に出る。
   優れた若手が居るのでチャンスを与えたい。シーズン中で様々な事が起こるが、若手選手に経験
   させたい。チームの平均年齢を下げるのは数年かかる。今後の選手の獲得によって。力の有る
   若手を連れて来れば良くなる。

P3020660.JPG

大住さんの質問に熱く答える監督と冷静に通訳するモラスコーチ。

監督の話を聞いていると、サッカーに対してしっかりした考えと哲学を持って居ると感じられて、話に引き込まれて行きました。

このトークショーの正式な翻訳は後にクラブのホームページで公開されるそうです。
当日来られなかった方、一読の価値が有ると思いますよ。読んでみてください。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。